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15年前の今日。2005年12月3日。等々力でガンバ大阪のリーグ初優勝を目撃した日。

他力優勝しかない状況。情熱こそ高まれど前節までの重圧が和らいだスタンドの雰囲気。スタメンに大黒復帰。選手入場時のファンファーレが新鮮だった。アラウージョの先制点の美しさ。あまりの美しさに吐きそうになる親父。携帯で長居の様子をうかがう。画素の荒いワンセグを起動した瞬間に土肥洋一がPKストップ。目の前では息を吐くように失点。等々力のまっっっずいホットドッグ。

気付けば長居は2-1。フェルのFK。ツネのヘッド。ボールがポストに直撃。乾いた音が鳴り響く。直後の大歓声。エンブレムを握るツネ。ブラックアウト寸前まで叫ぶ。そして親の顔より見慣れた失点。それでも逆転を確信できるサッカー。動かない長居のスコア。松波正信リーグ戦ラストダンス。家長がPK獲得。後ろのお姉さんの泣きそうな顔。ヤットの憎らしいゴールパフォーマンス。フェルの侮辱行為。諦め半分でワンセグを起動。東京のコーナーキック。今野の左足。親父の興奮しすぎて今まで見た事のないような表情。「東京追い付いた！セレッソ同点！」と喚く。スタンド中に伝播する興奮。チンの折り返し。アラウージョがスタンドに向かって走り込む。夢にまで見た夢に手が届きそう。

怒号のような「× × ××× オオオオ！ガンバ！」。試合終了の笛。ピッチ上で抱き合う選手達。ガンバのJリーグ優勝を知らせるアナウンス。嬉しすぎてセレモニー開始までのことはよく覚えてない。でも涙目になった親父と散々喜んだ事だけはよく覚えてる。

初めて歌うカンピオーネ。初めて見るガンバの優勝セレモニー。初めての紙テープ。そうかこれが優勝か。初めてこんなにもガンバを誇らしく思えた。当時好きだった子に写メを送った。ガンバを自慢したくてたまらなかった。

ツネが誇らしげにチャンピオンフラッグを掲げる。当時中1の自分にとっての人生ベストゴールはこの日のツネのヘッド。ちなみに15年経った今でもベストゴールは塗り替えられてない。

ツアーバスに乗り込む。発車後すぐ大渋滞にハマる。携帯には好きな子からまるで興味なさそうな返信。一気に冷めた。銀杏BOYZを聴き狂った。親父が死にそうな顔して運転席に向かう。ドアが開いた。親父が木の陰に隠れた。窓から親父の立ちションを眺めた。優勝はいい。祝杯を飲みすぎたあまり醜態をさらすハメになった親父の姿まで最高の思い出。

あれから15年が経った。美化された記憶はいくつもあると思う。でも15年前の今日のことは未だに匂いもカラーで思い出せる。この日のせいで人生が大いに狂った。でもこの人生を歩めて本当に良かった。きっと来年も再来年もまたこうして思い出に浸ると思う。でもこんな風に浸れる思い出があるってのはいいことだ。